将棋で、矢倉▲46銀・37桂戦法についての質問
図は、相矢倉▲46銀・37桂型戦法の基本的な局面で先手番ですが、
この局面では▲18香と上がるのが一般的になっています。
しかし、何故▲17香ではないのでしょうか?▲17香の方が、いつでも▲18飛から端攻めをする余地があると思うのですが
あえて一つだけ上がる意味はあるのでしょうか?
▲15歩△同歩と突き捨てた後に△16歩からの逆襲が怖いとかそういったところなんでしょうか?
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この形では▲1八飛からの端攻めは成立しません。矢倉の端攻めは飛車と香車だけでは成立しません。1五の地点は銀と香で守っているからです。矢倉の端攻めには3パターンあります。1.角切りの強襲、2。桂捨ての端攻め、3.棒銀の端攻めの3つです。▲4六銀▲3七桂型は、この3つのどれにも該当しません。▲4六銀が角筋を遮断しているので角切りの強襲はできません。また▽1四歩型では桂捨ての端攻めはできません。また棒銀でもないので棒銀の端攻めはもちろんできません。その為に後手は先手に棒銀の可能性が無くなった時点で▽1四歩と端を受けているのです。この形は▲2五桂~▲3五歩▽同歩▲同銀としないことには銀桂が捌きにくい。▲2五歩と銀を追えば端攻めはできるのですが、今度は桂が捌けなくなってしまう。▲4六銀型では▲4五桂とはならない。どうしても▲2五桂としたいのです。▲1七香の欠点は将来端を突き捨てたときに▽1六歩がすぐ香車に当たることと▽6二角が香車に当たる可能性もあることです。だから▲1七香としてしまうと▲1八飛とするしかなくなってしまいます。香車は後戻りできない。▲1八香なら▲1七香とする余地はありますが▲1七香とひとたび指してしまうともう▲1八香とはできないわけです。以上の理由で▲1八香が主流になっています。ただ▲1七香が全く成立しないというわけでもない。ちょっとした形の違いで成立する場合もあります。
2009年6月27日五番勝負第3局 羽生善治棋聖対木村一基八段:第80期棋聖戦中継サイト
http://live3.shogi.or.jp/kisei/kifu/80-03.htmlhttp://live3.shogi.or...
羽生棋聖の▽7三桂を見て木村挑戦者が▲2五歩と銀を追って▽3三銀と引かせてから▲1八香を▲1七香として▲1八飛~▲1五歩▽同歩▲同香▽1二歩と進みました。▽7三桂も香車と同じで後戻りができません。▽7三角とできない形なので将来、▲5八飛~▲5五歩▽同歩▲同銀で銀を捌くことができると木村挑戦者は判断したわけです。この形となった時に▽1三銀では中央が手薄い意味があるので▲2五歩には▽1三銀とはしにくい。▽1三銀なら▲1八香~▲1八飛でなく▲5八飛~▲5五歩の予定だったろうと思います。このように▲1八香は▲1七香を含みにして後手に指させてから場合にはよっては▲1七香とする間合いを計った一手でもあるのです。これに対して▲1七香は含みの無い直接的な手です。矢倉は表に表れない変化、水面下の駆け引きが多いのでアマチュアにとっては難しい戦型だと思います。うまく説明できたかどうか自信が無いのですが、なんとなく分かってもらえたでしょうか。
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1七香と上がる形もありますが、欠点として角がダイレクトに当たる形になる形があり、その形になった時は一辺で形成を損ねます。1八との比較はかなり難しいと思います。
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