2012年3月26日月曜日

将棋のプロ棋士の勝負では先手の勝率の方が良いと聞きましたが、それなのに何故「...

将棋のプロ棋士の勝負では先手の勝率の方が良いと聞きましたが、それなのに何故「一手損角替わり戦法」のような戦法があって、わざわざ後手に回ろうとするのですか?


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勘違いされているようです。「一手損角替わり戦法」は先手番の作戦ではありません。それは後手の作戦なのです。だから正確には「後手一手損角替わり戦法」というのです。後手のうえに一手損しようという摩訶不思議な作戦なのですが、相腰掛銀となった場合に一手損した後手の方が指しやすくなる変化があって先手としては腰掛銀にはし難いといったものです。そして、まだ完成された戦法でもなく日々発展中の戦法でもあります。つまり、まだ途中経過であって結論がでていない。

話を戻して、「先手の勝率の方が良い」というのは伝統的な経験則であって、それはその通りです。そこで近年、後手番の新戦法や新手が開発されています。「横歩取り▽8五飛戦法」「2手目▽3二飛戦法」「2手目▽7四歩戦法」「4手目▽3三角戦法」「角交換振り飛車」「阿久津流急戦矢倉」「ゴキゲン中飛車」といった後手番用の戦法が続々と開発されている。そのラインナップの一つが「後手一手損角替わり戦法」です。こうした後手の工夫の結果、近年においては後手の勝率が先手にかなり迫っていて、後手の方の勝率が良かった年さえあるのです。

というわけで先手がわざわざ後手に回ろうとしているわけではありません。

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