将棋に関する質問です。
最近、引き角戦法というのに興味を持ったのですが、最近のプロの棋譜には全くといっていいほど見られません。
なぜ引き角戦法は衰退したのでしょうか?
また、引き角戦法は先手の向かい飛車~中飛車まで全てに使えますか?
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衰退の理由はズバリ、角道オープン中飛車に対して成立しないと結論が出たからです。
振り飛車党の先手は▲7六歩△8四歩に対し、▲5六歩とするのが現代的です。そこから△8五歩▲7七角△5四歩▲5八飛から後手が引き角戦法にするとどうやっても速攻で潰されるようです。
昨年2月の竜王戦2組で鈴木大介八段が披露した指し方で引き角戦法は完膚なきまでに破られました。先手:鈴木、後手:真田
▲7六歩△8四歩▲5六歩△8五歩
▲7七角△5四歩▲5八飛△3二銀
▲5五歩△同歩▲同角△5二金右
▲4八玉△3一角▲7七桂△6四歩
▲6六角△5三角▲3八玉△4二玉
▲5四歩△6二角▲6五桂△同歩
▲7五角△5三歩▲同歩成△同角
▲同飛成△同金▲5四歩△5二歩
▲5三歩成△同歩▲2二角△6三桂
▲5七角△8六歩▲同歩△8九飛
▲1一角成△9九飛成▲2八玉△9七竜
▲2二香△3一金▲1二金△6六歩
▲2一香成△4一金▲1三角成△6七歩成
▲6四歩△5五桂▲2二成香△9八竜
▲5八歩△4七桂成▲3二成香△同金
▲2二金△同金▲同馬引△5八と
▲同金右△同成桂▲6三歩成△4八成桂
▲5四桂
まで69手で先手勝ち
これ以降、オープン中飛車の出だしからの引き角戦法は女流を除いて指されていません。
実は引き角戦法は昨年12月放送のNHK杯▲久保二冠△森内名人戦で、名人が使いました。
その将棋は、先手が早々と三間飛車を宣言したので後手の引き角戦法と互角の戦いになりました。
▲7六歩△8四歩▲1六歩△1四歩▲7八飛△8五歩
▲7七角△5四歩▲4八玉△3二銀▲3八玉△3一角
▲6八銀△5三角▲5六歩△4二玉▲5七銀△3一玉
▲2八玉△2二玉▲3八銀△5二金右▲5八金左…と進みました。
結果は先手が勝ちましたが、途中までは後手が確実にリードしていました。
このように、先手が中飛車以外の振り飛車を明らかにした場合なら互角に戦えるようです。
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なぜ衰退したのかは私の推測では、もっと勝ちやすい穴熊などがあるから無理してひき角をやらなくなったんだと思います。
でも引き角はいい戦法だと思いますよ。すべての振り飛車にも対応できますし
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自分は振り飛車に対してよく引き角戦法を使います。
四間,三間、向い飛車には簡単に組めます。
こちらの陣形は自然に美濃になりますから堅さは一緒です。
右銀は守りに使って穴熊に組むこともできます、
攻めの場合は棒銀のように使っていけばいいと思います。
中飛車に苦労していたときに覚えてたくさん勝てた引き角戦法、
でも角の頭を攻められるのでちょっと気を遣います。
自分は基本的に全ての振り飛車に対応できるんじゃないかと思います。
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基本的に振り飛車限定な上、組んでも攻めのバリエーションが乏しい。
態々手数を掛けてまで、使う戦法では無いということです。
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振り飛車の視点から見ると、狙いが単純ということだと思います。また、引き角戦法は、角を引いて玉を囲うまでは自分から動けないので
①振り飛車が穴熊に囲ってもとがめることはできないし、自分は穴熊に組みにくい(組めないことはないが手数がものすごくかかる)
②振り飛車に速攻されやすい
③囲ってからも狙いが普通の居飛車よりも少ない
ので、あまり指されないのだと思います。
引き角は、振り飛車側がどこに振っても大体同じ形になりますが、中日者相手にやると、角がご隠居してしまう可能性が高いです。
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